「Joshua Ellis(ジョシュア・エリス)」は1767年に創業。英国テキスタイル史の中で最も古い会社のひとつです。産業革命という歴史的背景の中、数々の合併を経て18世紀後半、紡毛生地生産に特化したテキスタイル製造業へとその姿を変化させました。
1900年代初頭までエリス家、その後2008年までハクスレイ家が経営を担い、その後は現オーナーであるアンドリュー・シール(Andrew Seal)が引き継いでいます。アンドリュー・シールは原毛の輸入、販売を代々生業としており、現在はジョン・フォスター、ウィリアムハルステッド、チャールズクレイトン、リードアンドテイラー等の名門といわれる英国梳毛スーツ生地生産を得意とするブランド。そして、ジョシュア・エリスを含む、カイノック、ネイル・ジョンストンらの紡毛素材、ファンシー素材生地を得意とするブランドを傘下におさめています。加えて、糸の販売に特化した組織、染色整備工場も傘下におさめるなどし、グループ内一貫生産の体制を整えることに尽力してきました。
ジョシュア・エリスではオーナーであるアンドリュー・シールが手掛けた原毛を使い、生地織から仕上げまでの工程に約50名の経験ある技術者が携わっています。コート、ジャケット等の紡毛素材を得意とし、ウール、ラムズウール、カシミヤ、キャメルヘア、アルパカ等の獣毛生地の起毛技術に関しては英国のみならず、ヨーロッパ、欧米の大手メゾン、ブランドから高い評価を受けています。
近年ではウィメンズマーケットにおける素材傾向がよりクラシカル且つオーセンティックなものへ変化したことを受け、フランスやイタリアのメゾンとの取り組みもより深まっています。これらの生産背景を利用し、アクセサリー類(マフラー、ストール)の生産も続けています。生産のメインが生地であるため、それに必要とされる忠実な密度のあるしっかりとしたウェイトの生地を時間をかけ縮絨し、丁寧に起毛するという基本的な起毛コートの仕上げを踏襲した本格的なマフラー、ストールの生産を得意としています。
